『ゆとり』のある職場環境へ。
唐突ですが、生産現場で働くスタッフさんたちに
どのようにすれば、気持ちよく、安全に、且つ効率的に仕事をしてもらえるんだろうか?
なんてことを考えられたことありますか?
もしかすると、
えーー??
スタッフを気持ちよく働かせるだって??
何をバカな! 仕事ってしんどいもんやん!
現場に楽させてどうすんねん!
そんな風に思われてる経営者も多いのかもしれません。
確かに、一昔前までならそんな考え方が大多数を占めてたのかもしれません。 実際、周りにいる年配の経営者の中には、〝仕事はきつくて当たり前。〟と思われている方が依然として多いみたいです。
経営者サイドの奥底に〝従業員は文句言わず黙って働いとけ!〟なんていう風潮が未だにあるのも否めないですよね。
生産現場をお持ちの経営者の方、工場の責任者の方へ。
でも、少し立ち止まって考えてほしいのです。
働き方改革が叫ばれて久しいですよね。 且つ、デジタルデバイスが浸透し、生産現場でのスタイルもずいぶん変わってきました。 それに加えて、震災やコロナのようなパンデミックのお陰で、物の価値観や人生観も大きく様変わりしていきているのは周知の事実だと思います。 加えて、ここ最近の労働時間の問題もありますよね。
自分の周りの労働環境を冷静に考えてみれば、時代は確実に変わってきているのがわかるはずです。
どうすれば、スタッフさん達にに気持ちよく、安全に働いてもらえるか?
これって、今の時代の働き方を考える上で重要なポイントだと思いませんか?
もし、あなたがスタッフの立場ならどうですか? 〝仕事はきつくて当然〟という考えのところで働きたいですか?
恐らく、誰もがもっと気持ちよい職場で、気持ちよく働きたいと思っているはずです。
コロナという災厄があって以降、職場の安全性もかなり重要視されています。 こと、生産現場ともなれば、安全性が担保されなければ生産がストップしてしまうわけですから、致命的です。
では、どうすれば、安全に気持ちよく働いてもらえる現場になるでしょうか?
時間に追われる生産現場から、ゆとりを産み出す生産現場へ。
キーワードは、〝ゆとり〟です。
それは、なぜか…?
作業環境も、〝キュウキュウ〟とした状態にあっては気分的にも肉体的にも窮屈になってしまいます。 窮屈な状態というのは、一種の緊張状態です。 ということは、つまり、身体が強張り、固まってしまっているということです。
窮屈な状態にあっては、作業効率が上がるどころかかえって低下してしまいます。 また、その状況では事故も起こしかねません。
逆に、生産現場での作業に少しでも〝ゆとり〟が生まれれば、肉体的にも精神的にも楽になります。 また、ゆとりが生まれることで、周囲への気配りなどもできるようになり、より一層安全な環境へと変わっていきます。
生産現場内にゆとりを与える、もしくは、生産現場内でゆとりを感じてもらうことで、少なくとも現状よりも作業が楽に感じてもらえるはずです。 では、スタッフさんたちにゆとりを与えるためにどうすればいいでしょうか?
ちょっと待って! 設備を導入するだけではゆとりは生まれない。
ボクの経験上、
などと思われる方がほとんどなのかなという印象を持っています。 確かに、設備を導入すれば、その作業も楽になり生産性や効率もあがる… かもしれませんね。 でも、それは概ね〝作業〟に対する主観であって、スタッフの立場からみてどうなのか? という問題があります。
なぜなら、機械や道具といった設備は単なるツールでしかなく、言わば〝手段〟だからです。 そのため、ただ闇雲に導入してしまうと、かえって〝しんどさ〟が増してしまう場合があります。 要は、設備だけにフォーカスして決めてしまうことにはリスクがあるということです。
よくある話が、社内で話し合うことなく社長の一存で設備を導入したばかりに、スタッフの業務が増えてしまい、作業効率が低下してしまった… といった事柄です。 この最悪のケースが、担当スタッフが過労で体調を崩してしまう、あるいは、会社を辞めてしまうという事態が起きてしまうといったことです。
結局、〝機械や道具を導入さえすれば解決できる〟という考えで臨むと、作業現場がちょっと違った方向に進んでしまう可能性があるということであり、そんな風にならないためにも、設備を導入する場合は十分な検証が必要というわけです。
設備を導入するための目的は、あくまで作業現場に〝ゆとり〟を感じてもらうこと。
大切なのは〝自分たちの目的〟をよく理解した上で、ご自身の生産現場にとって、今、何が一番必要なのか? を見極めることです。
どうなっていたら、自分たちの生産現場が最幸になるだろう?
それを考えていくことこそが、ご自身の生産現場にとっての〝ゴール〟であり、【真の目的】になるはずです。
ゆとりの先にあるコト。
生産活動を継続していくにあたっての大前提は、〝生産への効率化を図る〟ということです。
でも、どんなに効率化が図れたとしても、それが〝無理のある効率化〟だとしたらどうでしょうか?
スピードを強いられ、慌ただしく、また、十分な休憩もとれない… とか。 そういう状態で生産の効率化が図れたとしても生産現場の中で、スタッフたちは疲労・疲弊してしまいます。 その状態では〝真〟の効率化とは言えません。
繰り返しになるかもですが、そもそも、その効率化がどこを向いているのか? 何を中心に考えているのか? ということがポイントだと思うのです。 穿った見方をすれば、概ね、経営者が考えている効率化といえば、〝生産そのもの〟であって、『物が効率的に作れればいい』という視点にたって考えているのだと思えます。
でも、生産現場の主体はそこで働く『スタッフ』です。 大事なことは、
品質を担保し、生産現場に〝ゆとり〟を与えながら、且つ、如何に最幸最善のパフォーマンスで効率よく作業できるような環境を提供するか?
です。 そして、もうひとつ大事なことがあります。 それは、ゆとりで得た〝余裕な時間〟についてです。
〝ゆとり〟を次に活かす。
作業環境を改善して、ゆとりができたのだから、もっと仕事をする… という気持ちもわからなくもないです。 経営者の立場からみれば、現場に余裕ができたのでもっと仕事を入れて、もっと働けるはずだ! などという感情を抱いてしまわれるのかもしれませんよね。
でも、そういうのではなく、『ゆとり』を持つことでの最大の狙いは〝ゆとり=スペアな時間〟を
もっと【文化的・創造的・知的】に活かしてもらうこと!
なのです。
〝文化的・創造的・知的に活かすこと〟 とは、たとえば、
そういうことです。 キーワードは、
〝ムリなく、ムダなく、気持ちよく!〟。
ということです。
ゆとりを得ることで、まず、家族やパートナーとの関係を円満にするための時間が生まれます。 例えば、パートナーや子どもたち、家族の皆ともっと向き合える時間が得れるということです。 家族間、あるいはパートナーとの関係がよりよくなれば、それは精神的なよりどころとなります。
また、余裕が出た時間で、例えば映画を観るとか、自分の趣味の時間にあてるとか、美術館や博物館などに出向くとかといった活動で普段の仕事とは異なる視点をもつようにすれば、新たな発想を生みだすことにつながります。 そうすれば、もっともっと仕事が充足し、楽しくなっていくはずです。
つまり、ゆとりで得た時間を活用していけば、個人としての成長や充足した人生、また、会社としての利益につながっていくのです。 これぞまさに、プラスのスパイラル!
生産現場を善くすることの真の目的は、そんな現場を創っていくことなのだと考えています。 そんな仕組みを創っていくことが時短設計®であり、そういう発想で生産現場を整えていくことが【働き方改革】なのだと考えています。
…. そして、実は、もうひとつ大切なコトを発見しました。
時短設計® の本当の狙い。
仕事柄、たくさんの生産現場をみてきました。 そんな中で感じるのは、『過去のしがらみや枠組み』の存在です。 慣例もそのひとつですよね。
例えば、『昔(先代の代)からこの方法でやってきました〟とか、『この業界では、これが常識です。』とかといった類のことです。 そこに立証された確固たる理由や根拠がある場合は別ですが、そうでない場合、
過去のやり方や考え方に疑問をもつことなく、それが『フツウで、常識』だと思い込み、それに縛られてしまうと何の進展も、進歩も、発展もできない。
ということです。
過去のしがらみや枠組みとは言い換えると『固定概念』のことです。 思い込みとも言いますよね。
生産現場を善き方向へ変えていく上で大切なのは、自分たちが知らず知らずに持っている過去のしがらみや枠組みを一旦捨ててみることです。
抱えている課題に対して、フラットな感覚で自由な視点や発想で考えてみれば、そこには全く思いもつかなかった大きな答えが眠っているはずです。
出てくる答えは全部正解。
しがらみや枠組みという思い込みを一旦、置いておいて、また、浮かんだ考えや想いをジャッジすることなく、『出てくる答えは全部正解』という視点で、
どうすれば、うまくいくだろう?
そんなことを自分自身に問いながら、一旦、全ての考え方を受け止めてみて、その上でベストなチョイスをしてみる。
そこに新しい解決の糸口が転がっているはずです。 時短設計® の狙いは、
視点を変え、枠組みを変えて発想し、
その現場でのよりよい解(方向)に結び付ける・・
ということです。
時短設計® で、そういったサポートをしています。