公式LINEはじめました。 

機械を導入する際のコストの考え方。

けたろーです。

台風が通過していきました。 数年前の怖い体験があるので一通りの対策をしたのだけど、幸い、ボクらのところでは何事もなく通過してくれたようで、ちょっとホッとしてます。 

被害に遭われた方には、心よりお見舞い申し上げます。

さて、大阪で商売してると、『もっと安くして~』 なんて言葉がよく飛び交います。 というか、言わんと損、あるいは、とりあえず言うとけみたいな文化になってるのは否めないです。 (^_^;)

というわけで、今回の話題はコストについて。

コストにも種類がある。

冒頭の件で、客先から

安くしてくださいよー。

なんてことを言われたことがあります。 といっても、冒頭の通り、大阪ではそれが日常的な挨拶みたいな言葉なんです。 (A;´・ω・)アセアセ

で、その時ボクは、

あなたにとって、安いとはどれくらいの金額を言われてますか?
安く安くって、これでも十分安いと思うんですけどね。

と返しました。 実際、『安さ』というのは、人の主観であって、その感覚は人それぞれ… ですよね? 極端に言えば、100万円でも安いと言う人もいれば、100円でも高いという人もいます。 

とするなら、いったい何を持って、『安く』と言われているのか? 安さとは、その物に対する金銭的価値をどのように感じてるか? ということなのであって、単に安くしてって言うのは、その根拠がわからないのです。 それに究極は、〝ただでやれ〟ということでしょうし。 (A;´・ω・)アセアセ

安く仕入れてという『コスト意識』を持つことも大事かもしれません。 でも、それも過ぎると裏目にでてしまいます。 こと、ものづくりについて言えば、あまりに激しい値引きや安物買いをすることには注意が必要です。

少し立場を変えて、考えてみてください。 

自分が創り手の立場で、クライエントの要求にこたえるべく、ものすごく一生懸命考えて、一生懸命作ったものに対して、『もっと安くしてくれ!』 と言われる状況。 あるいは、完成した後で値引かれるという気持ち。 

そこに『やりがい』って感じられますか? 気分よく仕事ができるでしょうか?

安くやすく・・ それを言われると、如何に『安く』創るか? にフォーカスして、結局はどこかで無理が生じてしまうのです。 それは、お互いに本望ではないはずなんですけどね。

で、コストにも種類があるのは、ご存知ですか?

コストの種類を知っておくのはすごく大事なことだと思います。 特に製造業種の場合なのですが〝物の値段〟だけがコストだと思ってると、とんでもないことになりますよ。

コストの種類。

コストには、色んな種類がありますよね。 まずは、『価格』という物理的な値段表示がそれです。 具体的に明示されるので、これが一番わかりよいですよね。 

次に、人件費。 これも、イメージしやすいですよね。 

で、ちょっとわかりにくいのが〝管理費〟などといった目に見えない部分じゃないでしょうか。 税理や財務上ではもっと細かい区分があるのでしょうけど、それは、ちょっと置いといて… 管理費の面で言えば、労務に係ることや労働時間などがあると思います。 あと、技術に係る部分などもそうですよね。

その辺りのコストって、目に見えないから〝ないがしろ〟にされがちですよね。 というか、目に見えないから、意識されない部分も多く、結果、ないがしろにされてしまう… という感じでしょうか?

でも、実際のところで言えば、その物の価格や人件費などといった目に見えるコストよりも、目に見えない部分のコストの方が重要だったりします。

見落とされるコスト。

少し、質問したいことがあります。

あなたが物を買う時に、重視することはなんですか?

例えば、機械や設備を導入するといったシチュエーションをイメージしてください。 

購入に際し重視するのは、

その物の値段だけ? それとも、消耗品などのランニングコスト?

確かに、いずれも重要なのですが、それはどちらも〝目に見える範囲〟でのコストですよね。 でも、機械を創ってるボクらの立場で言わせてもらうと、本当に重視して頂きたいのは、もっと目に見えない部分です。

気にするべきは、〇〇〇 の部分。

例えば、機械の場合で考えてみると、目に見えないコストとは、『作業性』の面です。

むろん、生産能力そのものもコストを考える上での大きな要素なのですが、品種替えなどが伴う場合には、それに係る作業時間や作業内容などもコストに関わってきます。 諸々の作業が煩雑になるのであれば、それによって〝時間に対するコスト〟が発生してしまうのです。 そして、もうひとつ、見落とされがちなのが、『機械の設置面積』です。

これは一つの考え方ですが、〝場所〟も仕事上の資産のひとつと考えれば、その場所をどれだけ占有するか? も、コストを考える上で十分な要素になり得ます。 

同じ仕事をするにしても広大な設置面積が必要であるなら、その分、他の仕事が圧迫され、仕事上のチャンスロス(機会損失)につながってしまう可能性があります。 

また、土地(場所)を借りて事業を行っているとすれば、設備機器類の専有面積が広大になれば、それに対する賃料もそれなちになるということです。 単純に、同じ面積でも2~3台設置できるとするなら、その分、コストは低減できるというわけです。 そんな風に考えれば、機械に係る設置面積もコストの一部になり得えます。

つまり、そういった〝見えない部分にこそ重点を置く〟ということがコストを考える上では大切なのです。

目先にとらわれるな!

コストをかけるべきことと、抑えるべきことをよく吟味することも大事です。 それを見誤ると、返ってコストが嵩んでしまいます。 価格など目先のコストに囚われてしまって、結果的に… という話をよく聞きます。

例えば、機械そのものの価格だけを重要視したばかりに、結局、自社の作業に合わず買い直したとか、資材の面で、今の購入先より1、2円でも安いからと購入先を変えたばかりに、その品質が安定せず、むしろ以前よりも作業性が低下し、管理コストが多く発生した…などといった事柄がそれです。

(あなたが思う)安い物を買えば、一時的にコストダウンが図れたような気分になります。 ボクにも経験がありますのでわかります。笑 

でも、良く考えてください。 本当にそうでしょうか?

確かに、安い価格帯で手に入れることができて、それですべてが満足するのであれば、コストダウンは成功と言えるのかもしれません。 しかし、安い価格で手に入れたとしても、

調整に多大な時間が必要      とか、
安全性に問題がある        とか、
消耗品がたくさん必要       とか、
現場の雰囲気や環境にあわない   とか、
大幅に改造しないと使えない    とか、
資材に下処理をしないと使えない  とか、
そもそも、その資材が適合してない とか、
思いのほか、故障頻度が激しい、  とか、
機器の寿命がものすごく短かった  とか…

そういった諸々の状況が発生して、結局、『安物買いの・・』になってしまったというのでは、目も当てられないですよね。

ボクも経験があります。 Amaz…. で安い! と思って買った機器。 2~3年で使えなくなってしまったとか、買ったもののあまりにも出来が悪くて、他のメーカーのを買い直したとか、すぐに潰れたとか… だからこそ、値段だけでの判断は怖いのです。 

まぁ、割り切って使うのであれば、それはそれでOKなのかもしれませんが、生産設備で、且つ、オーダー品でそれをすると結局、買い直しや打ち合わせのやり直しとか、作り直しなどが発生し、無駄が非常に多くなってしまうんです。

この点、例えば、購買担当者や採択の決定権を持つというポジションの場合に陥りがちなトラップになるようです(余談です)。

コストを考える上で大切なこと。

コストを考える上で大切なこと。 それは、『バランス』です。

安く! 安く! と、1円、2円下げたところで、それがもとで全体のバランスを欠いてしまうのであればどうでしょうか? 確かに、値引きの額が仕事の評価につながるような会社では、担当の成績は上がるのかもしれません。

でも、その行為によって、生産設備や機械でのチョコ停が増え、作業性も悪くなり、生産効率が落ちてしまったというのであれば、会社としてどうなんでしょう? 損失ばかりが増えてしまっては、本末転倒じゃないでしょうか? 

逆に、1円、2円、高くなったとしても、それによって作業性が格段にアップし、作業スタッフへの負荷も減り、機械の稼働率が上がるとするなら、どうでしょうか?

会社としての利益が結果として利益をえることができ、むしろ、コストが下がったということになりませんか?

古来より、

損して得取れ。

という言葉があります。 高いモノを買うことで、一時的には、『損した』ような気分になってしまうかもしれません。 でも、〝見かけのコスト〟だけに囚われていると大きな損失が待っています。

一方向だけで判断するのではなく、全体を俯瞰し、バランスを考えて全体をマネジメントする視点が大切なんです。


ご相談、お問合せはお気軽にどうぞ。