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人と機械の共生を考える。

けたろーです。 あちこちで〝線上降雨帯〟。 すさまじいくらいに降りますね。 ここんところ、ほんとに気候が変わってきてるなって思いません? 

さて。

人の手はすごい。

この職に就くようになって、いろんな生産現場とか、製造現場を見る機会があるのだけど、そこでいつも思うのは、

人の手って、ほんまにすごいよな!

ってことです。

確かに、機械とかロボット見てても、すごいな! って思うんですけど。 でも、元を辿れば、それすら人の手によるものだから、ほんまに人の手はすごいと思うんですよ。w

で、現場をみていて感心することは、人の手の器用さとか、臨機応変さとか、柔軟さとか、そういうの。 一見すると、機械やロボットの方がすごいように見えますよね。 でも、人間が思ってるほど機械やロボットは優秀・万能ではないんです。 むしろ、人間の方がある意味万能だったりします。 

というより、〝融通が利く〟という点では、人に勝るものはないのかもしれないです。

直感力、洞察力、慣れとか。

顕著なのが、検査の工程でしょうか・・・。

そもそも検査とは、【不良品が良品に混入しないこと】が前提としてあって、そういうことを未然に防ぐという目的があります。 つまり、〝疑わしきは撥ねる〟という感覚が大事になるということです。

作業現場での検査を見せてもらう機会があるとき、検査してるスタッフさんに、〝これのどこが不味いの?〟ってきいてみると、「ここにキズがあるでしょ? これがダメなんです。」 と言われます。 

傍目には、まったくわからないキズでも、瞬時に撥ねてる。 ほんとにすごいです。 

人による作業の場合、ほんのちょっとしたキズや、シワ、微細な汚れでさえ見つけ出し、判定することができます。 また、ベテランともなれば、製品が持つ何かしらの『違和感』を感じ取って、瞬時に判断することができるようです。 それに、表面的なことだけじゃなく外観全てを検査することも可能で、これには、洞察力や直感力とか、慣れの部分も大いに関係してるみたいです。 

これを機械に置き替えた場合どうなるか? 機械ならもっとすごいことができるじゃないの? …  なんて思われるのかもしれませんが… たしかに、最新のAIなどを使えば、すごいことができる・・・のかもしれません。 

でも、機械的に検査を行う場合では、一般的にカメラによる画像解析とか、特殊なセンサーを使って検査をする場合が多いのですけど、そういった器材で検査を行う場合には、NGである場合の『具体性』が必要になってきます。

例えば、カメラによる画像検査を考えた場合、予め、キズやシワなどの〝具体的な不具合のパターン〟を選定しておき、それをマスター(基準値)として登録して、正常品との比較で判断させます。 また、検査対象となる範囲も明確にしておく必要があって、〝ここから、ここまでの範囲に異常が見つかればNG〟という設定をする必要があります。 

要は、何を基準に合否の判定を行うか? という明確なルールがいるのです。

さらに、もし、製品の外観全てを検査するという場合には、製品の向きを変えたり、あるいは、カメラの台数を増やしたりといったことが必要になってきます。 単純なことを言えば、仮に全周囲、全方向の検査を行うという場合には、上下左右の最低でも4つのカメラ、もしくは向きを変えるような機構がいるというわけです。

とはいうものの、そこまでの器材を準備し、検査を行ったとしても、そのNGのパターンが登録したもの以外の場合や、設定した検査範囲外にNGが生じているの場合には正常な判定ができません。 なので、検査工程を考えた場合には目視や官能(※)に頼るところが多いのがその理由によります。 ※官能:人による主観・客観的な事由を用いた方法。 

…などということを考えると、人の作業には計り知れない要素が含まれていますよね。

・・・とはいうものの…

確かに、人の手はすごいんですけど、当然のことながら弱点があります。 

顕著なのは、〝個体差〟です。 誰でも同じ能力を持っていて、誰でも同じようにそれができるか? と言えば、そうではありません。 

例えば、Aさんに、〇〇という作業をさせたら、ものすごく上手に、且つ早く確実に行うことができるが、××という作業に変わってもらった途端、ものすごくパフォーマンスが落ちる… などというのがそれです。 また、男女差にも顕著な差があります。 経験上、概ね、根気のいるような仕事には女性が向くという傾向にあるようです。 

あと、最大と思われる弱点は、持久力です。 労働規約上の制限も関係してきますが、人の場合は四六時中ずっと作業を続けるということが困難です。 集中力の面で言えば、概ね15分程度が限界です。

そしてもうひとつ、念頭に置いておきたいことがあります。 それは…

人は時にミスを犯す。

魔がさすというのでしょうか… どんなに優秀なベテランさんでさえ、ふとした瞬間にミスが発生します。 

(経験上…)『なんで?』というタイミングで、しかも、慣れてきた時ほど重大なミスが起きやすいというのも傾向としてあります。 

なので、常に念頭に入れておくべきことは、

【人は、時にミスを犯してしまう】

ということです。 また、実際的なミスは犯していなくても、〝可能性として、誰にでも内在している〟ということを頭に置いておくべきです。

そういう事がらを理解しておけば、それに対して未然に対策をしたり、ミスを犯してしまった後でも迅速な対応へとつなげることができます。

だからこそ、作業現場としての機械の在り方を考えてみる。

機械が得意なのは、概ね、人とは逆のことです。 ひとつの考え方として、

人の弱点を補完するために機械を存在させる。

という発想がありますが、どうでしょうか?

パワーワーク(力仕事)は当然のこと、同じことを長時間繰り返すといった作業は、人よりも機械の方が勝っています。 また、機械の動作は当初の決め事(仕様)の上に成立しているので、その決め事さえ守られる環境にあれば、延々無事に動き続けることが可能です。(もっとも、メンテナンスは必要ですが・・・)

ひとつ、機械的な視点をつけ加えるするなら、機械をうまく使えるかどうかは、

決めた動きを安定的に如何に持続させるか? 

ということでもあります。 すなわち、〝外的環境を整えること〟が機械をうまく活用していくためのキーになります。

ここでいう外的環境とは、その機械で扱う資材・材料の管理、その機械を直接的、間接的に扱う人の状態や動作、及び、機械自体の整備や管理などを含めた〝機械としての〟よりよい環境を指します。

常に安定した環境が整えられるであれば、機械として常に安定した動作ができるということです。 また、機械に依っては、人のように仕事への習熟度(ベテラン・素人の差)は、ほぼ無視できるようになるため、安定・且つ効率的な作業が期待できます。 

すなわち、現状、手作業で行われていることをなんとかしたい! という場合には、機械の導入はすごく有効な手段になり得ます。

共生するという環境。

機械をつくるという仕事をしていて、1確信的に一つ言えることは、

〝人も機械も万能ではない〟

ということです。 人にも、機械にも得手不得手が確実に存在しているということです。

だからこそ、人にしかできないこと、機械にさせるべきことをよく吟味して、人と機械の互いの利点をうまく組み合わせることが大切なんです。 そうすることで、よりよい作業環境が実現できるはずです。


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